米国けんきゅうにっき

はじめまして!2001年に日本を飛び出し米国へ。研究分野は化学でしたが、2005年のはじめに職場を東海岸から山の中へ移し、その際に研究分野も大きく変えました。そして2010年に結婚とグリーンカード取得。さらにさらに2011年夏に再び1800マイルを東に向かい、新天地、ミシガンに生活の場を移しました。2016年夏に仕事の都合でテネシーに引っ越しました。クルマ関係の仕事ですが、未だに合間を見ては投稿論文の準備をしています。まあ、せっかくの貴重(?)な人生なので、日々の出来事を残しておくことができれば幸いです。

2011年01月

部屋の掃除と日曜の買い出し

 自宅のデスクトップPCのCPU温度が高めだったので(ワタシのPCにはCPU温度とHDD温度のモニタがついている)、中のほこりを除去することにした。昨日、ラボに行くときにOffce Depotでエアダスターを買ったので、PCのカヴァーをあけて噴射。結構なほこりが出てきたので、ついでに部屋の掃除もすることにした。まあ居間なんかもカオス状態だったので......

 午前中いっぱいかけて掃除したら、ちょっとすっきり。まあその勢いでグロッサリーストアに行くことに。今夜は餃子(ってゆーか、今週は餃子)にしようかと思い、Rosauarで豚の挽肉を購入。ここは精肉屋が併設されているので、カウンターで購入する量を頼む。そのあと新しい弁当箱でも買おうと思い、Wal☆Martに行ったらDalia(ワタシの元同僚)の友人に出会う。ちょっと立ち話(Daliaがtenure-trackポジションを得たことと、現在のワタシの職探しの状態など)をしてから別れる。

 さてワタシの職探しはいっこうに進展してないな。でも例年よりもrejection letterがくるのが遅い気がする。そういえば先週末にカリフォリニアのある大学からAcknowledgement Letter(受け取りました通知)とAffirmative Actionのお知らせが来てたな。後者は高等教育における多様性のため、出身民族(白人、黒人、ネイティヴアメリカン、アジア人、ヒスパニックなどから選択)と軍属経験やハンディキャップの有無などを回答するもの。申請者の義務ではないが、こっちの大学教員職に応募するとほぼ必ず尋ねられる。

 
 今日は急に冷え込んできた。明日も寒いみたいだが、歯医者の予約が入っているので、クルマを出さなきゃなぁ......

講演者とのディスカッション

 昨日はセミナー講演者とのディスカッションがあった。米国や日本の大学では外部から(米国なら主に米国内の他大学の教授や研究者)を招待して講演会を開く。いわゆる招待講演と呼ばれるものだが、特に日本の講演と大きく違うのはほぼ一日かけて講演者はデパートメントに所属する教授や大学院生との交流の為に各オフィスに訪れてディスカッションをするのだ。だから招待講演といっても講演者はセミナーのある日は一日、大忙し。ちなみに日本ならば、ホストの研究室の学生とのディスカッションはあるかもしれないが、基本的にはセミナーの時間のみが講演者にとっての拘束時間となる。あとその夜は飲み会か。

 そんなセミナーが昨日(金曜日)に行われたのであるが、隣の研究室のボス(今回のホスト)の計らいで、その講演者とのディスカッションをスケジュールに組み込んでもらえた。以前は東海岸に居た時も含めて、結構、外部の研究者とディスカッションする機会はあったのだが、最近に限って言えばウチのボスはほとんどラボに居ない(つーかこの町にいない)ので、こんな機会はほとんど無くなっていた。そーいうわけで、ちょっと気合いを入れて準備していたのである。

 さて講演者の方はミシガン大学の先生で隣の教授の元同僚らしい。Rieske Oxygenaseというカテコール類の酸化反応を触媒する酵素の研究をやってるとか。ワタシのスケジュールはその講演の前だったので、彼の研究内容はほとんど知らなかったわけだが、まあ生化学が専門のようである。

 ワタシはと言えば、今回はワタシが研究している酵素の阻害反応について紹介した。いわゆるMichaelis-Menten挙動のアレである。複数の双曲線(Michaelis-Menten曲線)を総合的にフィット(グローバルフィッティング)する計算法によると、ある阻害剤の酵素に対する阻害様式が不競合阻害(uncompetitive)を示すと言ったところ、ダブルレシプロカルプロットはどうなのか聞かれた。具体的にはLineweaver-Burkプロットのことなのだが、彼が聞いてきた理由としてフィッティングの確からしさの目安となる相関値が非競合阻害(noncompetitive)と差がほとんど無いためである(さらにuncompetitive様式は比較的レアなケースでもある)。ワタシはレシプロカルプロット、特にLineweaver-burkプロットは低濃度の基質条件だと誤差が大きくなると理解しているので、基本的には傍証としては有効だが決定打にはならないと考えていた。そういう意味でも素直にグローバルフィッティングの計算値が理論上、最もuncompetitive様式に近いという結論だった(まあそれ以外に各阻害剤濃度におけるMichaelis-Menten曲線のフィッティングから得られるVmax値とKm値が変化していることからも、uncompetitive様式の挙動に特徴的であるという観測結果に基づいているのだが)。

 Lineweaver-Burkプロットの各阻害剤濃度での直線はほぼ平行であったのだが、4つの直線のうち1つだけ(阻害剤非共存での直線)基質の低濃度領域の誤差が大きく、他の3つの直線とは平行になっているとは言い難い(この場合、やはり混合非競合阻害の可能性もでてくるのだが、グローバルフィッッティングによる混合型の相関関数はuncompetitive様式以上にはならなかった)。しかし別のレシプロカルプロットであるHans-Woolfプロットは4つの直線がy切片上で交差することからuncompetitive様式を支持している。ただしこれもやはり傍証でしかない。

 まあその教授の言いたいことは、阻害作用があるということを前面に出しなさいということだ。阻害様式を議論しだしたら査読でつっこまれるぞと。ただ反応機構の議論も展開したいので、阻害様式を言及するのが望ましい。実際、上述した各阻害剤濃度におけるMichaelis-Menten曲線のフィットから得られるVmaxとKmの値が変化しているというのは揺るぎない事実であり、グローバルフィッティングの微妙さはともかく、Hans-Woolfプロットの結果はuncompetitive様式を支持している。

 もう一つこの議論を主張する根拠がある。この阻害剤の阻害作用の程度を示す定数Ki(阻害平衡定数)の値がnMオーダーに達すること(つまり非常に強力な阻害剤であり、速度論を見る際の阻害剤の濃度と酵素濃度が近い状態になった)から、遅延結合阻害作用(slow-binding inhibition)の可能性が存在していた。これは簡単にいえば、阻害剤と酵素の結合或いは解離が非常に遅く、酵素と阻害剤の平衡が速いというMichaelis-Menten挙動に従わない様式である。この場合、Morrison式というのがあり、ここから初期速度、定常状態速度、速度定数が得られる。これを阻害剤濃度や基質濃度を変化させてKi値などを求めるのであるが、この結果でもこの阻害剤はuncompetitive様式であることを支持していた。ただこれもあるプロットの誤差が大きく出ていたので、様式を語るには信頼に値しないというカンジだったな。

 まあグダグダ書いたことはともかく、その教授から指摘された点はプレゼンをすることにおいて非常に勉強になる。ちょっと悪い言い方をすれば、データの弱点を以下に隠蔽してプレゼンするかってやつだな(科学者としてどーなのよっていうのはともかくね)。

 ああ、あとちょっとイラッ☆ときたのが、ウチの学生が相関関数の差の小ささをみて、「それじゃあ区分けできませんよね」とコメントしてくれたこと。つうか、オマイはもっと実験してから、そーいうコメントを吐けよと思った。

なにげに忙しい火曜日

 昨日から降っていた雪がやむ。まだまだ降るんだろうけど、いい加減、見飽きてきた。早く春が訪れないだろうか。

 さて今日はやっと業者から水素・酸素ガスセンサーが戻ってきた。嫌気下生化学実験用のグローブボックス内にある装置なのだが、故障してワタシが日本に行く前に修理依頼をしたのである。まあクリスマスを挟むから時間が掛かるだろうなと思っていたが、案の定、1月以上掛かったことになるね。(これも向こうの手違いで間違った住所に送ってきたので、到着が一日遅れた)で、さきほどグローブボックス内の雰囲気がゼロ酸素状態になったことを確認。それを見てか、ウチのラボの院生が「使えるんですか?」と聞いてきた。つーか、今まで放置しといてかよ。まったく昨日のGoogle○ync以下だな、オマイわ

 おっとイカン、イカン。気を抜くとブラックCが顕れるな(;^_^A

 先ほど、ウチで使っているバクテリア(大腸菌ぢゃないよ~)の本培養を仕込んできた。タンパク質阻害反応の実験中だったのだが、タイミング的に中断しなければならなかったんでね。まあとにかくこれ書き終わったら、もうちょいと阻害反応の実験やって今日はオシマイか。

 し・か・し、最近、ネタがないなぁ~

BlackBerryのGoogleSyncがクソな件

 ストレスフルである。

 理由はタイトルにあるように、Gmailの連絡先が無限増殖しているため。これのおかげで、このGmailにリンクしているデバイス(iPod touchとBB)にも被害が出てきた。具体的には同じ連絡先を3つも4つもコピーして増殖している。なぜそうなるのかよくわからんだが、BlackBerryのGoogleSyncが悪さをしているらしい。実際、GoogleSyncでContactの同期をとめるとおさまる。なぜキョドったBBの連絡先の情報を大本のGmailの連絡先に反映させてしまうんだ?せめて、データリンクするときダイアログでどーするか聞くくらい気の利いたことはできないのかね。まったくだからGoogleに頼り切るのはコワいんだわ......

 今日は木曜にある抄録の論文を抄録会参加メンバーに送る。まあ阪大のセンセーの論文だ。こんなふうに論文を前もって送っておいても、みんな読むんだろうか?どうせ基本的なことを聞かれまくるんだろうな~(もう何度、説明したんだが......)

 同じ部屋に居る某J人は相変わらずPCの前で論文を書いている(フリ?)イヤフォンをつけて書いているのを見ると、よくそんなことができるなぁ~とちょっと感嘆の念。まあ、オレはやらんけど。昔の日本なら、殴られモンだな、と思いつつ、私は阻害剤のデータ解析。あと2,3の実験が必要なことが発覚。いい加減、この実験も疲れてきたわ......

 ああ金曜日のセミナーの講演者とディスカッションをする機会を与えてくださったJoan先生、感謝です。これあた同室のヤツに伝えるも無反応。先週の時点で伝えてはいたんだが、その時点ですでにかなり消極的。英語を話したくないんだろうか?まあその傍証として、オフィスに掛かってくる電話は決してでないし┗(;´Д`)┛ せっかく留学してるのにねぇ......(どこかの書き込みではエラソーなこと書いてありますが)

Pyramid Breweries

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 さっきラボに行ったら下の階の日本人ポスドクの方(Mさん)がやってきた。彼は昨夜遅くにカリフォルニアで開かれていたGRCから戻ってきたのだが、世間話にワタシのオフィスに訪れたようである。そこで日本人に会ったとつたえてくれた。その人はどうも日本で言うところの大講座の研究室に所属しているらしく、そろそろ独立するために地方の大学に行って業績を積んでから旧帝大に戻るか、もうちょっと同じところでがんばってそのままストレートに旧帝大のポジションを得るか思案中だとか。ただいずれにせよ、近未来のポジションには不安はないと、Mさんには言ってたそうな。その人(おそらく准教授)はそのGRCで招待講演をつとめていたのと年齢も我々に近かったこともあり、Mさんはいろいろとため息をついていた。まあそんなこと逐一、気にしていても仕方がないのだが、まあカレのため息もわからんでもないよ。
 こんなワタシたちだってこれまでの人生で日本でのポジションを得られるチャンスがあったかもしれない。そのときにそのチャンスを見落としていたのかもしれないし、それ以上に強固な意志で我が道を進むと決心していたのかもしれない。まあその話を聞いてうらやましいと思わないと言えば嘘になるが、そんな他人のことを気にしても仕方がないじゃんと思う。個人的には今の状況、全く後悔してないし。そんなことよりも次の論文のためのデータ解析でもう脳みそが飽和しそうだわ。

 話は変わって今日のエントリは久々にブルワリの話題でも。昨年の夏に妻を迎えにSeattleまで行った時に立ち寄ったブルワリの紹介だ。

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Pyramid Alehouseと書かれた看板が中にはお約束の醸造タンクビールのメニューはこんな感じです


 Pyramid Breweriesって米国在住の方はストアとかで見たことがないだろうか?ココがそのブルワリのお膝元にあるレストランだ。場所はSeattleの宇和島屋から結構、近く。Seattle Marinersのホーム、Safeco Fieldの道を挟んだ向かいにある。以前にSeattleを訪れた際に(facebookでも写真をアップしたがOlympic国立公園に行ったとき)城島のTシャツを買ってきてくれと高校時代からの友人に頼まれて球場のショップに立ち寄ったときに気がついたのだが、そのときは時間が無くて泣く泣く帰路についたものである。そんなわけで5年ぶりに念願が叶ったと言おうかね。

 今回は妻がSeattleまでくることになっていたので、モンタナから12時間かけてSeattle-Tacoma国際空港までクルマを走らせた。まあ久しぶりにSeattleに行きたいなと思ってのワタシの提案である。Seattleには時間通りに到着し、無事に妻をピックアップ。そのままこのレストランに直行した。

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別のビールメニューこちらは食べ物のメニューかな


 レストランはすいていたので、すぐに席に案内される。ワタシもひさしブリにMぽんにあったので歓談しつつ、ビールを注文。このあと宇和島屋にも行こうと言うことだったので、写真にあるように系のハーフヴァイツェンを注文した。

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ハーフヴァイツェン!おつまみとして頼んだサラダと何かのバーガ


 意外とおなかがすいてたんだろう。ペロっと平らげてしまった。流石に途中で一泊したとはいえBozemanからSeattleまでのドライブは結構、疲れたんだろう(といいつつ、このあと、10月始めにまた同じドライブをするはめになったのだが......)Mぽんは機内食を食べたばかりだったので、あんまり食べなかったかな。

 Pyramidのハーフヴァイツェンは個人的にはちょっと癖があるかなという感じ、ホントーに微妙なんだが。最近はIPAの代わりにほとんどBeltのハーフヴァイツェンばかり飲んでいるからそう思うのかもね。でも、のどを潤すには最高のビールだと思いますよ。
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