米国けんきゅうにっき

はじめまして!2001年に日本を飛び出し米国へ。研究分野は化学でしたが、2005年のはじめに職場を東海岸から山の中へ移し、その際に研究分野も大きく変えました。そして2010年に結婚とグリーンカード取得。さらにさらに2011年夏に再び1800マイルを東に向かい、新天地、ミシガンに生活の場を移しました。2016年夏に仕事の都合でテネシーに引っ越しました。クルマ関係の仕事ですが、未だに合間を見ては投稿論文の準備をしています。まあ、せっかくの貴重(?)な人生なので、日々の出来事を残しておくことができれば幸いです。

2010年08月

自然の空中庭園

Highline2010_00.jpg この週末は再び旅に出ていた。個人的には一度、行ったことのあるTheodore Roosevelt国立公園へ妻を連れて行ったのである。ナゼ、Theodore Roosevelt国立公園なのか?と階下のMさんにも尋ねられたのだが、なんとなくMぽんはモンタナ以上に何にもない光景を見たことないだろうから、見せておこうかな~と思ったのが、動機といえば動機なんだろう。そーいうわけでノースダコタバッドランドへ往復1000マイルの旅をしてきたわけだ。Bozemanにたどり着いたのは昨日の夕方くらい。途中で前が見えないくらいの土砂降りの雨に3回あった。まあそんでもゆっくりと帰ってきたんだけどね。

 今日のエントリはGlacier国立公園でのハイキングの続きでも。個人的にはGrinnell氷河とIceberg湖を見ることができれば充分と考えていたので、すでに前回までのエントリで紹介したように目的は達したことになる。しかし、その時点で日程の半分しか経っていなかったのであるから、これはちょっともったいないよね~ということになった。もちろん私自身、行きたいトレイルはあったのだが、これを行くのはMぽんの体力的にはムリかな~とも思っていたのである。そんな背景のなか、その行きたいトレイル、Garden Wallへの道(Highline trail)を何気なくMぽんに提案したのである。

 さてこのHighlineトレイル、私のMixiのマイミクさんの一人、オレゴニアンさんが行きたいと以前の日記で書かれていたのを記憶していた。彼は米国のいろいろなトレイルを歩き回っていたようであり、(実際にお会いしたことはないが)さぞかし私なんかより屈強な肉体の持ち主に違いないと思っていたので、私もこのトレイルはちょっと冒険しすぎかな?とは思っていた。ただ今現在、このトレイルを歩き終えて思うのは、体力的な問題よりも精神的な問題のほうがず~と大きかったと思う。まあ詳しくは以下を見てもらえればわかるだろう。

 Garden WallとはLogan PassとMany Glacierの間にある大陸分水嶺に走るカーテン(ってゆーか壁)状の尾根のことである。GTTS("Going-To-The-Sun" road)からでもちょっと上を仰いでみればその存在感が感じられるはず。それだけ大規模な壁がこのLogan Pass周辺には張り巡らされているのだ。このたもとを縫っているのがHighlineトレイルであり、Logan Passのビジターセンターからトレイルは始まっている。

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全部の道のりを歩いたら一日では厳しいハイキングのランクは"easy"、まあ確かに最初はそう見えるよね?
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なんかGTTSが下に見える分、怖いんですけど......GTTSが下る分、高低差が広がるそんで足場も悪い場所もある!


 まず一言、高くて怖いのよ!!GTTSは西側に向かってどんどん標高を下げていくのだが、その上を走るHighlineトレイルはほぼ高さを維持しているため、どんどん高く登っているように見える。またトレイルが通っているのもGarden Wallのふもと、ほとんどむき出しの状態のため、カンタンに滑落できそうですヨ。(よくみんな、滑落しないなぁと思うわ、ホントーに)

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なにしろ、高いでも景観はすばらしいふたたび足下を見ると、やっぱり怖いわ
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この時点での目標はGarden Wallの割れ目のあたりああ、やべぇ......安全地帯にきますた(v_v`)


 当初、私はGrinnell氷河をこちら側から展望できるというところまで行きたいと思っており、ビジターセンターでRangerにもその場所を確認していた。ただ私の大いなる勘違いでその場所が上の写真で言うところのGarden Wallの割れ目だと思っていたのだ。だから結構、接近してきているこの状態では、「ああ、あともう少しかな~」という軽い気持ちしかなかったのだが......現実は大きく異なっていたのである!

氷山の湖に着く

 トレイル途中で休憩を入れ、さらに圏谷(カール)の中に向かう。結構、近づいたカンジでも未だ湖は見えないのだ。(まあ滝が流れ落ちるのはみえるんだがね)

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接近はしてるんだよ望遠で撮影した滝カール内部の全容が見えるが、湖は未だ見えず


 登りは緩やかだが、やはりあんまり人はいないんだな~。しばらく歩くと小川に出る。そこでカップルのハイカーに遭遇。なんでもムースを見たとか。そのあとまたちょっと登ると、右側に小さな池が。そして登り切った先には!!

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小川は心地よい音を立てて流れる右手に小さな池スッゲー青いんだぜ!


 待ち焦がれてたIceberg湖がスロープの下に現れる。色が青いんだ、これが。そして改めて感動した。2回前のGlacier国立公園来訪以来から行きたいと思っていたこのIceberg湖にたどり着いたことに!

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湖畔から見たIceberg湖名前の由来である小さな”氷山”が浮いている山腹に3頭の山羊が見える


 Iceberg湖の名前の由来は写真にも写っている様に残雪が湖に落ちてきてそれが浮いていることからきている。この湖周辺には氷河はないのだが、冬の間に湖水が凍結し、春から初夏にかけて氷が溶け出すことで、結構、たくさんの”氷山”が浮いているんだとか。湖に向かってカールを構成する左側の山をWilbur山というそうだ。これは一応、ヒトが登れる山らしい(というのはジェネラルストアで売っていたガイドブックの表紙が、その山頂からIceberg湖を写したものだから)。しか~し、岩登りのテクニックが随所で必要なので経験者しか登ってはいけないとか書かれていた。そのWilbur山の中腹にいるのは3頭の山羊。人智を越える能力でそこを登る彼らにちょっと尊敬のまなざしである。

 なにはともあれ、私の主目的は達成されたのである。

氷山が浮かぶ湖へ行く

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 今回の旅行ではその大半の日程をMany Glacierで過ごした。Many Glacierのキャンプ場で4泊、その前後をSwiftcurrent Motor InnとMany Glacier Hotelって具合だ。Many Glacierのキャンプ場は人気が高く、午前中の早いうちに埋まってしまうのだが、Swiftcurrent Motor Innで泊まった翌朝の散歩がてらサイトを抑えたため、カンタンに場所を確保した。(ココはさらにSwiftcurrent Motor Innに併設されているパブリックランドリー&シャワーを有料だが利用できるのだ)

 そんなMany Glacierだが、ここはSwiftcurrent湖を正面にみると大きく分けて3つの谷で構成されている。前回のエントリで紹介したGrinnell氷河は大陸分水嶺を構成するGarden Wallに向かって一番左の谷、真ん中は大陸分水嶺を越えるSwiftcurrent Pass、そして右側のIceberg圏谷(カール)だ。そしてこのエントリで取り上げるのは、右側のIcebergカールにあるIceberg湖である。

 Iceberg湖へのトレイルは片道4.9マイルのカールへと続く道でGrinnell氷河へのトレイルよりも長いが、高低差が氷河への道よりも低いため、距離のわりには疲れないハイキングであった。ただ結構、早い時間にトレイルに入ったためか、前半は他のハイカーがほとんど見られないひっそりとした道でのハイキングとなったため、野生動物(主にクマ)にビクビクしながらの往路となったのである。

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トレイル入り口であるトレイルに入ったとたんの人気のなさ向かう方向のカールのパノラマ


 トレイルヘッドでは2人組のおばさんがベアスプレーの説明書を読んでいた。あんまりにトレイルに入っていく人が居ないため躊躇していたらしい。Grinnell氷河の方はハイカーがたくさん居たことを告げると、それならあっちの方は安全そうねとか。まあ私たちもちょっと躊躇してたけど、できるだけ声を出しながら歩くこと(主にしりとりをしながら)とベアベルを装備すること(ガイドにはあまり効果的ではないと書かれているが、ナイよりはマシ)で対処することに。もちろん私たち2人ともベアスプレーは装備している。(あくまで最終手段だけどね)ちなみにこれらは杞憂に終わるわけではあるが。

 2.6マイルほど行くとPtarmigan Tunnelへ行く方向のトレイルとの分岐となる。ここでPtarmigan Fallsにも到着。ここまでくる間に結構な数のハイカー及びレンジャーが引率する集団に遭遇。どうやら意外と人気のあるトレイルだったらしい。

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Ptermigan Fallsは意外と小さめの滝だったカールの入り口まで後一歩かね
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Icebergカールのパノラマ、未だに湖は見えない


 滝を越えたころには人気は再び無くなってきたのだが、それでもぼちぼちハイカーに出会った。それにだんだん近づいてくるカールにちょっと心躍らされてもいたので、クマに対する恐怖もこのときはかなり薄れてきていた。それでも未だに湖は見えないのだが、これははIceberg湖がホントーにカールの一番奥にあるからだ。

 次回はいよいよ湖との対面だ。

天上のGrinnell氷河

 前エントリに引き続き、Grinnell氷河への道のり。スタッフによるフェリー回収が終了後、ついにJosephine湖を縦断する。対岸に着くとGrinnell氷河とGrinnell湖へ向かうトレイルに分かれるワケだが、湖の方は昨年にMぽんと訪れている。こちらはレンジャープログラムがあるらしく、同乗していたレンジャーが数人のハイカーを引率して森の中に消えていった。ちなみにGrinnell湖は緑色の湖面が美しいのだが、個人的な印象で、あの辺はなんだかクマがウヨウヨいそうでなんだか危険な香りがするのよね。

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歩き始める前の意気揚々とした姿ボードウォークを歩くMぽん九十九折りを登ると......
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徐々に登っていくトレイル途中でパノラマ写真


 Josephine湖の対岸の桟橋から右の方に進むとトレイル案内板とボードウォークが出現。この時点でGrinnell氷河に行きそうなハイカーはフェリーに乗っていた人数の1/3くらいか?野生動物の脅威にさらされる身としてはちょっと少ない気もするが、写真の様にチェストホルスターにクマスプレー、”Big Mama”を装備している上に、妻にも中型のクマスプレーを装備しているので大丈夫だろう。ちなみにバックパックが重そうに見えるが、実際は結構、重かった。中にはストーブとプロパンタンク、雨具、(使いもしなかった)折りたたみストールチェア二組、食料にハイキングポールが入っていたため。更に重量を稼いだのが飲料水。水が1.5Lほどであとはスポーツ飲料が500mLか?

 ああ、ちなみに私たちはクマにおびえすぎではある。周りのハイカーの軽装もさることながら、中国人家族と雄々しき集団はほぼ丸腰(裸という意味ではナイ)だった。まあ彼らは所々で”ヤッホー”(私たちには”イエロー”と聞こえたが......)と叫んでいたので、クマに対して彼らなりに注意はしていたのだろう。

 ボードウォークが終わり、小川を超えると急激な九十九折りを登る。まあ結構、急激に登るので、私はすでに息切れだが、上段右の写真の様にすでに美しい光景が広がっている。左にMt Gould、右にMt Grinnell、そして正面のGarden Wallに囲まれた扇状の地形だ。そしてこの写真の奥に写っている山腹の白い部分、すなわちSalamandar氷河のたもとまでがこのハイキングのゴールである。

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ここは滑りそう......見通しの悪いカーブもちょい危険眼下にGrinnell湖


 やはりトシなんだろーね、ちょっと斜面を登るだけで結構、息切れする。それでも足場が悪いところとか見通しのよろしくないところは注意しつつ進むのだ。特に岩清水や滝状になっているところは地面が滑りやすい上に、落ちたら余裕で死ねそうな高さがある。まあそのためにもハイキングポールを持って行ったわけなのだが。

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到着のGrinnell氷河である


 しばらく緩やかな登りを行くと、ピクニックエリアに到達する。ここでは結構な人数にハイカーが昼食を摂っていた。さてこのピクニックエリアから最後の登りが始まるわけだ。このGrinnell氷河トレイルで最も急な登りがね。スッゲー疲れたわけではあるが......頂に達するとそこはもう別世界が広がっている。眼前にGrinnell氷河湖とGrinnell氷河、そして地球気温の上昇により分断されたとされるSalamandar氷河が岩肌に張り付いておる。

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桟橋からの出発と到着時間で3時間半くらい?ストーブで暖めたお湯で紅茶をいれ、氷河の前で楽しむ


 重い思いをして持ってきたストーブでお湯を沸かし紅茶をいれた。このストーブは3年前にBozemanを去っていったこーきくんからもらったものだ。私もガソリン用のを持っているが、アレはかさばるので持ってこなかった。(こーきくん、ありがとう!

 氷河湖のほとりでいれたての紅茶を飲みながら、サンドイッチをほおばる時間はなんだかサイコーの贅沢だよね~。まあそんなわけでGrinnell氷河へ妻とともに登るという私のもくろみは達成されたのである。

Grinnell氷河へ行くためのフェリーハプニング

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 さきほどつぶやいたが、昨夜遅くにGlacier国立公園から戻ってきた。Many Glacier Hotelでチェックアウトぎりぎりまでウダウダしていたので、Going-to-the-SunをこえてWest Glacierにたどり着いたのが午後2時近く。途中のLake McDonald Lodgeのレストランで昼食を摂った。あとはKallispelを避けるようにBogforkという町を通りつつ、街道沿いのチェリーを購入したり、ブルワリに寄ったりして、Missoulaにたどり着いたのが6時過ぎになってしまった。またまたさらにMissoulaでは、アジアレストランでディナーを摂ったため、結局、Bozemanにたどり着いたのが11時近く。そーいうわけで、ちょっと本日は疲れたのら。まあとにかく、今回はMぽんにとっての3度目の挑戦!Grinnell氷河への踏破について書こう。

 さてGrinnell氷河とは米国、Glacier国立公園の東側、Many Glacier地区から目指すことができる氷河であり、公園内で最も容易に近づくことができる氷河でもある。私自身は3年前に訪れたことがあるのだが、この氷河が消えゆく前に、是非、妻とともに見てみたいという私の願いを成就させるために計画した。(この新婚旅行もこの氷河再訪が主目的である)

 Glacier国立公園には10日間滞在する予定だったのだが、キャンプ設置やホテルへの移動などを考慮して、Rising Sunにテントを設営した翌日(すなわち到着3日目)にGrinnell氷河ハイキングを敢行した。(Rising Sunには2泊キャンプしてからMany GlacierのSwiftcurrent Motor Innに移動)

 Swiftcurrent湖とJosephine湖を縦走するフェリーに乗るため、早朝にRising Sunを出てMany Glacier Hotel前にある船着き場へ向かった。このフェリーは人気があるため、チケットが売り切れることがあるのだ。

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Josephine湖に行くと......フェリーは手漕ぎボートに乗ったスタッフ3人が回収


 無事にチケットも購入でき、フェリーに乗ってまずはSwiftcurrent湖を越える。その後は短い陸路を歩いてJpsephine湖に停泊しているフェリーに乗り換えるのだが、そこでちょっとしたハプニング。係留されていたフェリーが流されて湖の真ん中にあるんだわな。ハプニングの予兆はあった。というのは2つの湖をつなぐ小径を歩いているとき、ものすごい勢いでスタップが行ったり来たりしてたのだ。

 そんなわけでJosephine湖のほとりで20分ほどスタッスがフェリーを回収するために悪戦苦闘している様を観察しておりました。
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