米国けんきゅうにっき

はじめまして!2001年に日本を飛び出し米国へ。研究分野は化学でしたが、2005年のはじめに職場を東海岸から山の中へ移し、その際に研究分野も大きく変えました。そして2010年に結婚とグリーンカード取得。さらにさらに2011年夏に再び1800マイルを東に向かい、新天地、ミシガンに生活の場を移しました。2016年夏に仕事の都合でテネシーに引っ越しました。クルマ関係の仕事ですが、未だに合間を見ては投稿論文の準備をしています。まあ、せっかくの貴重(?)な人生なので、日々の出来事を残しておくことができれば幸いです。

2010年04月

I-140が認可されたらしい

なんかはやくね?と思うかもしれないが、タイトルの様にI-140嘆願書(National Interest Waiver、国益による労働許可書の免除))が認可された模様。少なくともUSCISのサイトにある私のケースステイタスチェックではそうなっていたし、弁護士にも確認を取った。

 3月22日に書類を提出して、認可が下りたのが4月23日(オンラインのケースステイタスによると)。ちょうど1ヶ月という計算だ。私のNIWの審査はテキサスのセンターで行われており、ネットで調べるとこの時期に嘆願書を提出した申請者もほぼ1-3ヶ月でI-140の認可がおりている。

 まあそれでもUSCISによればI-140のプロセスには平均で約4ヶ月かかると公示されているので、今回の私のケースは明らかにはやい。弁護士からもちょっと興奮気味で返事が返ってきた。

 このNIWの認可により、私の米国永住権取得には何の障害も無くなったといえる。通常の外国人がグリーンカードを申請する場合、最も論点となり、かつ難関となるのが労働許可書の発行、あるいはそれを回避するための国益による免除なのだ。私は後者を選択したわけであるが、今回の認可によりAdjustment of Status(H1-Bからグリーンカードへのステイタス変更)のプロセスに進む。まあここからが長いということもあるんだげど、実質的にはGCの取得は保証されたこととなるわけだ。

 あとは近いうちに指紋の採取のための日程を知らせるレターとI-140の認可書が郵便で届けられるハズだ。正直言って、あんまりはやくNIWが認可されたので、ちょっと面食らっている。ひとえに6人の推薦書が非常に強力だったこと、弁護士の書いたカヴァーレターが非常によかったこと、後は時期がよかったんだな。それを加味しても、自分の業績も考慮されているはずなので、それが認められたというのはうれしい限りである。

 そんなわけで、ちょっと急いでやらなければならない懸案が出てきたのであった。


ー追記ー

 弁護士からI-140のApproval Notice(オフィシャルレター)を受け取ったという連絡をもらった。また私の自宅の方にもコピーが届いていた。ホントーに1月で認可されたんだなぁ。

無色のタンパク質を精製した日

 日があいてしまったが、なにげに週末とかも実験が忙しかったからね。なれない電気化学実験をやっているがマジ疲れます......サイクリックボルタンメトリーなんてDの学生時代に錯体を測定して以来、ご無沙汰だったからなぁ。まあコレもあともうちょっとでカタがつくので、辛抱しんぼう~♪

 そんな合間をぬって昨年末くらいから牛歩のような歩みで作ってきたNosZ大量発現株からNosZタンパク質(亜酸化窒素還元酵素構造因子、いいかえれば酵素活性を担うハズの原子団を欠いていて、タンパク質部分だけのものね)を精製することにした。この辺はすでにウルバナ・キャンペインのチームが報告していてそれを踏襲するだけなんだけど、使う遺伝子は違うのでプライマーからおこさなければならなかったのよ。つまり全部最初っからってことね。それにこの構造因子だけを大腸菌で発現させても、酵素活性は得られないことはもうドイツのグループが報告していたので、まったく発展性のないネタである。でもウルバナのグループはコイツでPNASだから、個人的には納得いかんのよ。

 まあそんなことはどーでもいいんだが、精製自体はらくちんだったよ。まず大腸菌だからね。しかもBL21(DE3)って細胞壁、弱い?他の株よりも簡単に潰せるような印象。カラムもいつも亜酸化窒素還元酵素を精製するように流す。でもクロマトの挙動はミュータントに近いと予想してたので、フラクションはカンで分取。取りこぼしもなく見事に精製できたわ。我ながら匠の技だな(^^)

 得られたタンパク質は電気泳動で純度を確認。濃度はBCAとビュレット法の平均を取る。あと銅イオンの定量は原子吸光で確認した。このあとは直ちに銅イオンを入れてみることに。ここまでは上述のPNASに記述されているのだが、やつらは銅イオンを滴定しながら導入したのに対して、ワタシは透析してみました。そーしたら見事にチューブ内で析出しやがりますたわ......orz

 気を取り直して、銅イオンフリーの緩衝水溶液で再透析。析出したタンパク質はまた溶液に溶け出した。一応、CDで確認してフォールディングは問題なさそうだった。次回はもうちょっとマイルドな条件で銅イオン導入をしなきゃなぁ。

自宅メイン機復活

 先日、自宅でメインに使っていたXP機が壊れた話をした。さすがに不便になってきたので、復旧することにした。

 実はずいぶん前にDDR2の市場価格が暴落した際に6GBぶんのDDR2モジュールを購入してあり、自宅のカオス区域に保存されていたので、これを利用することにした。もともと、このモジュールはいつかIntel系のCPUで新造するときのストックパーツとして購入していた。今回はALICE6のマザーボード(とHDDや光学ドライブ)以外のパーツはALICE7Rに転用されてしまったので、動くPCを作るためにはマザーボードとCPUを新たに購入しなければならない。そういうわけで、当初の考え通りにIntelのCPUを物色していたのだが、なんだか高いんだよね。で、ふとAMDをみてみると異様に安いんだわ。そういうわけで、今回も結局、AMD系で構築することになった。

 さて新規に購入したのは以下のようにCPU、マザーボードそしてビデオカードだ。ビデオカードは正直、どうしようか迷ったのだが、PymolとかChimeraを動かす時にヌルヌル動きそうなのでRadeon X800から置き換えることにした。

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CPUはAMD Phenom II 555Black EditionASUSのM4A785Mというマザボ右のカード、XFXのRadeon HD5670


 OSは32bit版のWindows XPである。あくまでALICE6のアップグレードだ。そうじゃないといろいろと困ることがまだあるので。それと今やCPUはクアッドコアが当たり前の時代なのだが、なぜかここではデュアルコアを選んだ。まあ予算の都合なんだけど、もう一つ理由がある。今回、購入したPhenom II X2 555 Black Editionは本来、4つのコアを持っているのだが、歩留まりの都合上、2つのコアを無効にしてある。しかしAMDの任意のチップセット(ここではAMD 785G/SB710)を搭載するマザーボードのAdvanced Clock Calibration(ACC)という機能を利用することで、運が良ければ無効コアを有効にできるわけだ。もちろん無効にしているのには理由があるわけで、もしかしたらそのコア自体に不良があるゆえかもしれない。まあおみくじみたいなものだ。

 では今回、購入した555BEは4コアすべてを有効にできたかといえば......残念ながらダメだったil||li _| ̄|○ il||li ACCで4つのコアを有効にするとXPの起動でコケる。仕方がないので3コアで動くかどうか検討した。どうも4つのCPU(IDが0、1、2、3)のうち#1が死んでいるっぽいので、#1を無効にすると無事に3コアで起動した。あとはBlack Editionなので周波数が固定されていないことから、3.7GHzまでオーバークロックに成功(とりあえず動くようになったっていう意味。ちなみにPrime98では速攻で落ちるので、残念ながら安定ではない)。一応、メインで使うつもりなので、今回はコア電圧を定格のまま(1.28V)にしてある。参考までにこの555BEはRev.Cなのだが、製造週はヒートスプレッダの刻印をみていなかったので不明だ(CPUファンを取り外して確認するのもめんどいのでゴメンネ)。まあそんなわけで恒例のベンチを載せよう。

PC nameAlice8Alice7RLab-Alice2Mobile-Alice
Operating SystemWindows XP Home (32bit)Windows 7 Home (64bit)Windows XP Pro (32bit)Windows 7 Home (32bit)
CPUAMD Phenom II X2 555BEAMD Athlon64 X2 4200+Intel Core2 Duo T7800Intel Core2 Solo SU3500
Frequency (GHz)3.2@3.72.22.61.4
memory (GB)DDR2-400 (6.0)DDR-400 (4.0)DDR2-333 (4.0)DDR2-333 (2.0)
GPUAMD Radeon HD5670AMD Radeon HD3870OCNVIDIA Quadro FX1600MIntel GS45
ゆめりあ(それなり)139208(647)43723(303)69828(181)6628(51)
FF bench (H)4207(25)4985(19)7447(8)1453(3)
3DMark061130575445321577
CPU442615472230644
SM2.0404833172205181
SM3.0503139392018233


 まあこんな具合なのだが、意外なのがFFBenchが低いこと。どうやらこれはCPUとGPUの組み合わせによるものらしいが、3DMark06が構成にたいしてほぼリニアに性能を出していると示しているのに対して、なんだか変な感じだ。あとIntelのCPUを使っているとき、Acrobat Readerとかの起動が非常に遅いときがあるのが気になる。これはベンチとかには反映されないので、気のせいといえばそれまでなのかもしれないが......

 それとAlice8とLab-Alice2は32bitのOSにもかかわらず、4GB以上のメモリを搭載しているのだが、以前のエントリで紹介したようにOS管理領域外をRAM Diskとして設定している。特にこのRAM DiskにeBoostrを導入してみたが、確かにMS Officeとかの起動が速くなった気がする。あとiTunesのアプリそのものをRAM Diskにインストールしてみたら、起動が圧倒的に速くなった。こういったOS管理領域外の利用は結構有効なので、お試しあれ。

続いてI-485提出!

 先日のエントリでI-140嘆願書を提出した旨を書いた。この書類は基本的に嘆願者が合衆国の国益に貢献する人物であることを証明するために提出するものであり、米国永住権すなわちグリーンカード自体を申請するものではない。しかしながら、第二優先枠(EB-2)の国益による免除(NIW)で申請する限りはこの書類は提出しなければならない。

 申請のシークエンスとしては、まずこのI-140を電子申請し移民局(USCIS)からの受領書が郵送されるのを待つ。これは7~10日かかると言われているが、私の場合は3月22日に電子申請をして、受領書が届いたのが4月6日、つまり2週間だ。まあ7~10ビジネスディと考えれば、2週間というのはリーズナブルだけどね。この受領書、I-797C(Notice of Action)を受け取り次第、すべてのNIWのサポート書類をUSCISに送る。この際に、グリーンカードの申請に相当するAdjustment of Status(AOS、I-485)も同時に提出する。これがI-140(NIW)とI-485(AOS)の同時申請のシークエンスだ。

 なんでこんな複雑というかわかりにくいのか?もちろん専門家ではないので、間違っているだろうしあんまりこの情報を当てにしない方がよいと思うのだが、まあ簡単にまとめてみよう。

 日本人が永住権を得る方法としては3通りが知られている。まずはよく知られつつあるんじゃないかな?抽選によるもの。これはDIVERSITY VISA LOTTERYというもので米国移民の国別の偏りを無くしていこうというもの。だから移民の多い国民はこのプログラムに参加できないことになっている。日本はといえば、もともと海外に移民するという気概の乏しい国民なので、もちろん参加可。資格はプログラム参加国の高卒以上ならインターネットで申請できる(DV -20xxでぐぐればすぐに見つかるだろう)。締め切りは年によるが12月の初旬だったと思う。まあコレに当たってもグリーンカード取得を保証するものではなくて、たしかグリーンカードの面接の権利が得られるんじゃなったかな?

 次に、最もポピュラーなのが米国籍の異性と結婚することによって得られるモノだ。まあいわゆる国際結婚ってやつ。たぶんこっちの日本人(特に女性)の多くがこの方法で永住権を得ている。事実、私がこちらで知り合った永住権をもつ日本人女性の多くはこれに該当する。まあこれは男性には厳しいわな。基本的に日本人女性は米国人男性に人気だけど、日本人男性はねぇ......米国人女性に魅力的かといえば甚だ疑問だわ(^^;) ちなみにこの場合のグリーンカードは確か偽装結婚を防ぐために短期のものが発行されると聞いたことがある。まあ興味があるようなら詳しくは自分でしらべてくれ。(mixiのグリーンカードのコミュにたくさん経験者が集まってます)

 さてそして3番目の方法が雇用ベースの申請だ。まさに私が今回申請したのはこの方法。この雇用ベースには5種類のカテゴリーがある。これがEB-1からEB-5と割り振られており、上から順に”卓越した能力の人物”、”修士以上の専門的な知識が技能を持つ人物”、”4年制大学卒で米国内での労働を許可された人物”、”特殊移民(日本人はほぼ該当しない)”、”投資家”である。EB-5は特殊な例で、金で永住権を購入すること可能だが、それ以外は優先枠が設けられているらしく数字の少ない順に優先となる。

 私の申請したEB-2 NIWは第二優先枠のなかでも労働許可証が必要ないもの。言い換えれば自分の能力を元にセルフスポンサードできるということが証明できるケースだ。そういうわけで、大量のサポート書類が必要となる。このカテゴリーのメリットは労働許可証が必要ないため、本来、雇用主が労働省に嘆願するプロセスがそのままスキップできる。また労働許可証が必要ないということから、雇用主を比較的自由にかえることができるわけだ。

 まあ簡単にまとめてみたわけだが、間違っているコトも多々あると思うので自分で調べてみることを強く勧める。もし興味があればだけどね。

 今回のEB-2 NIW申請によりまだ日本国籍を放棄するわけではない。よく間違われるのが永住権(permanent residency)と市民権(citizenship)の違い。FビザやJビザなどのビザは非移民ビザと言って母国に帰国することを前提として発行されるものに対して、永住権は永住を許可される移民ビザを指す(Hビザは非移民ビザだけど、永住の意志を持つことを認められているビザ)。そして市民権は国籍そのものだ。だから当然、グリーンカードホルダー(永住権所有者)は米国における選挙権もない(母国の選挙権はある)。ただし外国人が米市民権を得るためには、かならずまずは永住権を得なければならない。そして5年後に市民権を得る資格が与えられる。このときに母国の国籍はどうなるのか?これはもう国次第だ。日本は二重国籍を認めていないので、米国籍を得た場合は自動的に日本国民ではなくなる。まあ、それを考えるのはまだ先だ。
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