米国けんきゅうにっき

はじめまして!2001年に日本を飛び出し米国へ。研究分野は化学でしたが、2005年のはじめに職場を東海岸から山の中へ移し、その際に研究分野も大きく変えました。そして2010年に結婚とグリーンカード取得。さらにさらに2011年夏に再び1800マイルを東に向かい、新天地、ミシガンに生活の場を移しました。せっかくの貴重(?)な人生なので、日々の出来事を残しておくことができれば幸いです。

2010年03月

まあ雑談ね

 日本では近畿大で日本化学会の春季年会が行われている模様。今回はMぽんが修論のネタで口頭発表するそうだ。座長がI教授ということで、彼女の所属大学の教授にいろいろと吹き込まれた模様だが、まあ心配しなさんなとコメントしておいた。しかし近大かぁ。ずいぶん昔の春年会で行った記憶があるなぁ。確か2回は行っているハズなんだが自信はない(^o^)!

 昨年のこの時期はユタのSalt Lakeで開催されたACSのNational Meetingに参加したなぁ。クルマでここから7時間かかった。途中の峠で雪に降られて立ち往生したわ。今年はSFで開催されているらしく、東海岸時代のボスから参加するのか聞かれたわ。まあ飛行機で行くほどではないので、今回はパスだということで。

 実験は予測通りの結果にならね~。まあだからサイエンスなんだが。そんな実験の合間にD論の残りのネタで論文を書けないか考えていた。いい加減学位を取ってから10年近くなるわけだが、放置され続けているのはちょっとすわりがよろしくない。もうここまで音沙汰が無いんならさぁ、もうどこでもいいから出しちゃえばいいじゃんって思うのよね。つーことで、イントロと実験項までは簡単にまとめてみた。でも久しぶりに錯体の論文を書いているといろいろとちがうな~とは思うね。

 それに関連して参考文献とか眺めていたのだが、そこでおもしろいとゆーか感慨深いものに出くわした。



 左のリンクは昔、扱っていた配位子(hydrotris(pyrazolyl)borate)の総説だ。2つのウチの左の方の本の著者がこの配位子を作ったヒトだ。まあ錯体をかじったことがあるひとなら誰でも知っているはずである。そしてワタシが東海岸で働いていた頃に隣のラボでよく深夜まで実験していたのも彼であった。(残念ながらその偉大な化学者は3年ほど前にこの世を去られたのだが......)その彼から左の著作、"Scorpionates"にサインをもらったのも良い思い出である。

 さて昨年に○工大時代のボスの一人が、その彼のためにある雑誌の記念号にワタシのD論のネタで論文を投稿するということになった。まあそれはめでたくアクセプトされもう出版されているのだが、そこの参考文献の一つにリンク右の書籍、"Scorpionates II"というのがリストアップされていた。ワタシは出版されていたのを知らなかったのだが、Amazonの試し読みをのぞいてみると、東海岸時代に合成した配位子が一節を割かれて紹介されているじゃん!まあそれはいいとして、2003年だったかな?このScorpionates配位子の35周年記念とかでNew OrleansでACS National Meetingに併せてシンポジウムがあったのだ。そのときのレセプションでの集合写真が掲載されていた。はは、オレ写ってるよ~、しかも超ムサいヒゲ面でさぁ。

 まあちょっと懐かしかったな。

読めるか~!

 DQNネームというのがある。ご存じだろうか?簡単にいえば、親がとうてい読めないような名前を自分の子供につけることだ。イメージとしては暴走族が難しい漢字を当て字にしているようなやつ。でも以下のリンクのテストを受けてみれば、まだ暴走族の当て字の方が読めると思うはずだ。

DQN名前・読み取り試験

ちなみにワタシの最初のトライアル。

1.美衣(♂)
×(みい) ⇒ べーた
2.紗光結(♀)
×(みこと) ⇒ しゃくてぃ
3.紅甘(♀)
×(くみ) ⇒ がんま
4.詩羅純(♀)
×(ぽえむ) ⇒ しらす
5.覇琉孔(♂)
○(はるく)
6.萌絵輝(♀)
×(もえき) ⇒ めえてる
7.夢叶(♀)
×(かのん) ⇒ にこる
8.生竜(♂)
×(きりゅう) ⇒ うる
9.新星(♂)
×(ノヴァ) ⇒ ねお
10.星行(♀)
×(せいや) ⇒ きらり


今回のテスト結果は 1 点です。正しい日本語感覚を身に付けています。今後も、DQN色に染まらぬよう気を付けましょう。



よめるか!

赤いタンパク質をこぼした日

 とは言っても全部、こぼしたわけではない。電子スペクトルを測定しているときに、タンパク質の入ったチューブを床に落としてしまったのら。ふたがあいたままでね。だいたい1/5を失ったみたい|||l_| ̄|○l||| なんだろ~ねぇ、不注意ってつもりもないんだが、手から滑り落ちたのでやっぱりそうなん?と思ったり。まあ自己嫌悪だわぁ。

 ただこの赤いタンパク質そのものはきれいにとれたみたいだ。一番最初に硫安沈殿をしてみたのが功を奏した感じ。でもどれくらいで析出するかわからなかったから、カンで青いタンパク質と同じ40%まで加えて上澄みを分離した。まあ不安だったんで一応、析出物もバッファに溶かして透析しておいたんだけどね。この操作のおかげで、以前ではどうも抽出しきれなかった赤いタンパク質を十分に液相に移すことができたようだ。

 基本的にワタシはプロテアーゼ(タンパク質を分解する酵素)阻害剤を入れないで精製するので、硫安沈殿後の上澄みの透析に時間をかけるのはあんまり好きではないのだがね。まあ今回は仕方がない。上澄みは飽和状態に近い塩濃度なわけだから、もしそのままクロマトグラフにかけたらイオン交換カラムを素通りしてしまう。透析を丁寧にして(5Lの低塩濃度バッファを4回交換した)から、陰イオン交換カラムに透析後の溶液をロード。ある塩濃度で出てきた赤いフラクションを透析して、今度は陽イオン交換カラムに通す。これはそのまま流れてきたヤツを分取して、ある程度濃縮した。これもまた透析してから、こんどはセラミック多孔質のカラムに流す。これはリニアグラジエント(徐々に塩濃度を上げていくこと)して、早いうちに出てくるフラクションを分取。最後にこれを十分に濃縮してからサイズエクスクルージョンで分離といった感じだ。SDS-PAGEは十分きれいに出ているのだが、正確な分子量を決めるために明日はJonathanに質量分析をお願いすることにした。

 この赤いタンパク質は酸化還元挙動を示すので、それぞれの状態の電子スペクトルを取っておく。どうも既報の赤いヤツとは微妙に精製方法やら電子スペクトルのピーク波長やらが違うので、とりあえずその文献に記載されているモル吸光係数は無視して、BCA法で見積もられるタンパク質濃度からモル吸光係数を導いた。まあ、質量分析の値をあとで考慮しなければならないんだけど、とりあえずだからSDS-PAGEで見積もられる分子量をここでは利用。

 う~ん、これだけではまだ報告されているタンパク質と同じモノかどーかわからんのだなぁ。あとはアミノ酸組成分析かアミノ酸配列分析をするか......(N末端側の配列は報告されているので)ただ今後のためにC末端側のアミノ酸配列も知りたいところ。というのは、上述の様に全部で4つのカラム、5つの精製ステップを経なければならないのはちょっとタイムコストが大きすぎるんよ。だから大腸菌の大量発現系を作れないかな~と思うのだな。JohnがN末端の情報とバクテリアの赤いタンパク質のアミノ酸相同性を元にいろいろとPCRで遺伝子をつり上げようとしてたけど、ずべてうまくいかなかったとか。だからC末端のアミノ酸配列情報がのどから手が出るほどほしいです。
 

とうとうI-140嘆願書提出!

 さて前々から少しずつ触れていたので、カンのいい人は気づいたかもしれない。そう米国永住権の申請をしているのだ。

 米国永住権、すなわちグリーンカード。いわゆる外国人の無期限滞在を認めるビザである。ご存じの方もおられるとは思うが、簡単に説明すると、米国に入国するためには原則、ビザが必要である。通常、旅行などでやってくる観光客はVisiting Waiver Program(VWP)というやつで入国できるのでビザは必要ないのだが(最近はESTAとかゆーやつで事前登録が必要なようだが)、最大で90日しか米国内に滞在できないうえに働くことは許可されていない。

 ワタシが米国に来たとき、すなわち2001年夏の時点では、ワタシのビザステータスはJ1であった。J1ビザとは交換留学生・研究者ビザ。F1ビザ、つまり学生ビザと同じくらい簡単に認可されるステータスで、主に米国外でPhDを取得した人物が米国に入国するのに利用されるビザだ。このビザならば米国で働くことを許可されている。(F1もたしか届ければアルバイトやteaching assistant、research assistantは可なはず......)

 ワタシの場合、J1ビザは3年分下りたので、このステータスでめいいっぱい滞在後にH1-Bビザに切り替えた。J1ビザの場合、しばしば問題になるのは”2年間のアメリカ国外生活条件”である。ワタシの場合はこの範疇に当てはまらなかったのでWaiverを申請する必要はなかった。この俗に言う”2年縛りのルール”はIAP-66やDS-2019にも明記されているのだが、その対象にあるかどうかはこの書類だけではわからないので、付属のインターナショナルオフィスに問い合わせるしかない。まあかな~りブラックボックスなのだが、昔、言われたのは、外国のファンドによるサポートでJ1ステータスを取得した場合はこのルールが適用されるとか。(詳しくは各自の状況に応じて、適切な機関に連絡すべし)まあ、そんなわけでワタシのH1-B申請は難なく認可された。たしか2ヶ月たらずだったと思う。

 その後は東海岸からモンタナに移る際にH1-Bのトランスファを行った。ちなみにH1-Bステータスは更新1回可能で最長6年有効となる。ただしこの6年とはどこで働いていようが、トータルで米国にH1-Bとして滞在できる期間である。たとえばワタシの場合、東海岸で半年間、H1-Bステータスであった。このあとモンタナに移っており、ココでの有効期間は5年と半年となる。

 そのH1-Bステータスが今年の5月31日で切れるということは昨年の初夏から懸念していた。そこで、移民専門の弁護士に相談し、第二優先枠(EB-2)の国益免除(National Interest Waiver, NIW)で申請するのが良いということになったわけだ。さてNIWとはなんなのか?簡単に言えばアメリカ合衆国に国益をもたらす人材に対して労働省が発行する労働許可証を免除するという申請である。この申請嘆願書であるI-140を本日提出したのである。

 このI-140嘆願書に伴いサポート書類を提出しなければならない。これがこのEB-2NIWの申請で最も大変なところである。これも簡単に言えば、自身が優れた人材であることを証明することが骨子である。ワタシの場合は、これまでパブリッシュされた論文すべての別刷りやそれらの論文の総引用数と引用した論文すべての要旨(これだけで50ページ超の書類!!)、引用されたという証拠、国内外で発表した学会のプロシーディング、招待講演を証明するインビテーションレター、ある雑誌の表紙デザイン、参加している学会、学位証明を用意した。そして最も重要である、ワタシの学者としての能力をサポートする6人の推薦人からの強力な推薦状。これが一番、大変だった......

 基本的に自分で推薦状のドラフトをおこし、推敲に推敲を重ねてから推薦人に送る。これを推薦人が読んで問題なければ、署名付きでこちらに送ってくる。これらをNIWのサポート書類としたわけだ。なにが大変だったかといえば、何しろ自分を褒めちぎらなければならないこと。そして、具体的に何が米国にとって国益になるかを明確に記述しなければならないことだ。これらの作成に6ヶ月くらいかかったかな?しかも6通がすべて異なる文面でなければならないとゆーのも、6ヶ月かかった理由だろう。

 そーいうわけで、昨年の6月から始めたI-140嘆願書類の作成は今日をもって一区切りがついた形となる。ほぼ9ヶ月かかったことになるね。今は移民局からの受領書が送付されているのを待っている状態。これを受け取り次第、ただちに永住権の申請であるAdjustment of Statusに移行する。

 まあ、何にせよ時間とお金、労力のかかる作業であるわな。

なんか末期的なGPU戦争

 また引き続きパソコンのお話。2年ほど前のエントリで取り上げたNVIDIA vs. ATI(AMD)のGPU戦争の現状だ。

 昨年の秋頃にATIはRadeon HD5xxxシリーズを発表。その最上位チップであるHD5870(コードネーム、Cypress)はWindows7の新APIであるDirectX11に完全対応する世界で最初のGPUとなった。これは全世代のHD4870に搭載されていたSheder Processor800基を倍にするなどの拡張を施したHD4シリーズの大幅な進化版であり、単精度で最大2.7TFlopsの演算性能を誇るとされていた。

 一方のNVIDIAは、ATIの新GPUに対抗するべくコードネームFermi(NVIDIAの最近のチップコードネームは有名な物理学者の名前をつける傾向があるらしく、前世代はTeslaだった)とよばれるGPUの存在を明らかにしていたのだが、開発が難航していたらしく、Radeon HD5870の発表に対抗して実機公開はできなかったのである。

 そんなNVIDIAであるが、ギークたちの間ではちょっとした祭りになっている。まあ、元はといえば2008年半ばに発覚したダイ・パッケージンク素材への不純物混入による熱暴走の可能性とその後のNVIDIAの対応の悪さから始まっているんだけどね。それが尾を引いているのか、このFermiアーキテクチャーのアナウンスがされるも、現物が出てこないとゆー状況であった。さすがにコレはマズいと思ったのかNVIDIAはとんでもないことをやらかしてくれたのである。

 まずFermiアーキテクチャーそのものはある意味、現時点でGPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)という用途には理想的なものらしい。だから彼らが推進しているCUDA実行環境としてはすばらしいものになるハズであった。ちなみにCUDAとはGPU用のC言語総合環境のことらしいが、NVIDIAとしてはこれを足がかりとしてGPUいよる物理演算を促進させていこうという考えがあったのだ(だから今回のアーキテクチャー名もイタリアの物理学者、エンリコ・フェルミ博士にちなんでいる)

 ではとんでもないこととはなにか?ココのCEO、ジェン・スン・フアン氏の鶴の一声かどうかしらないが、適当なビデオカードを一部、切断したモノをFermiコアをもつGPUを搭載したビデオカードだと発表したのだ。まあ、モックモデルを公表するのはわからんでもないが、少なくとも発表するに当たりきれいに仕上げるのが常識であろう。この常識をいとも簡単に打ち破ってくれたワケ。発表の翌日には直ちにその切断面の写真やら画像解析などがネットを賑わせる始末となった。

 さて次にNVIDIAにとっての悪い噂が米国オークリッジ国立研究所のスパコンに採用されるはずだったFermiチップがキャンセルされるというもの。これはちゃんとしたソースが見つけられなかったのだが、Fermiの歩留まりがよろしくないとか発熱量が半端じゃないとかいう噂に密接に関連している。

 上述の噂を裏付ける様に、新年早々のFermiチップの実働デモの様子が公開された。なんか強力な水冷ユニットを搭載しているのに、そのマシンに近づくと熱気を体感できるというもの。だんだんヤヴァさに実感がわいてくるのだ。

 そして2月23日のことある。その前日か前々日くらいからTwitterやらNVIDIAのFacebookアカウント(まあTwitterと連動しているから当然か)で、23日のその日に何か重大な発表があるみたいな、思わせぶりなバナーを公開。しかしこれは3月26日にBostonで開催されるイベントでFermi搭載チップのビデオカードを発表するよという予告の予告であった。これをうけてネット(主に確認したのは2ちゃんねるの自作版)ではキレ気味の書き込みが多数......

 そしてそして極めつけが最新ドライバの更新だ。Forceware196.75を既存のGeForceビデオカードを搭載したシステムにインストールすると、ビデオカードの冷却ファンが止まってしまい、ビデオチップを焼き焦がしてしまう(!)というやつ。この事件の悪質なのが、日本の主要なITメディアはほとんどそれを報じていなかったのだ。2ちゃんねるでは被害者が焼け焦げた無残なビデオカードの写真をアップするなど、文字通り炎上していた。これの補償問題とかどーなるんだろうかと思いつつも、まあこの年末年始にいろいろとNVIDIAは話題を提供してくれたわけである。

 さて現在、GeForce GTX480 & 470(Fermiアーキテクチャのチップをもつビデオカード)の発表があと2週間足らずとなったわけである。ちなみに現在のGeForceのラインナップは混沌を極めており、何を買えば最新のチップ搭載カードなのかよくわからない状態になっている。というのはNVIDIAが古いチップを利用したカードに新しい名前を付けて販売しているためだ。(これをNRT、NVIDIA Rename Technologyというらしい......)

 こんなこともあってか、NVIDIAはATIに対抗できるようなというか対抗できそうな体制になっていないようだ。最後に2ちゃんねるの葬儀スレで見かけたアスキーアートを紹介しよう。ちょっと笑ってしまったのと同時にこたつの消費電力を調べてしまいました。

        ├─────────────────────────┐
電気ストーブ.│                 1200W                 |
        ├─────────────────────────┘
        ├────────────┐
こたつ..   |      600W        .|
        ├────────────┘
        ├───┐
GTX480  │ 298W..│
        ├───┘
        │
グラフからGTX480がずば抜けて省電力・低発熱という印象を受ける
性能ももちろん十分(暖房としては若干力不足の感は否めないが)と言える
本年度イチオシの定番ビデオカードと言えるだろう。自信を持ってお勧めしたい
なお、Radeonは強くアピールできるほど目立った結果が出なかったため割愛した
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