過去二回のエントリでWindows Home Server(WHS)の導入と自宅ネットワークの見直しについて触れたが、今回はWHSの緒言と具体的にWHSを使うことで何ができるかを説明しよう。

 まずハードウェアとしてはIntel Pentium Dual Core 2.5GHzのCPU、2GBのメモリ、そして1.5TBのHDDを搭載しており、3基の空きHDDベイをもつ筐体に納められている。インターフェイスは前面にUSB×1、背面にUSB×3、eSATA×1、1Gbps対応のRJ45×1。OSがインストールされているHDDは一番下のベイに納められており、このベイにはロック機構が付いている。とはいっても別にたいそうなものではなくて、だれでもカンタンにアンロックできるんだけどね。残りの空いているベイにはトレイが入っており、ここにHDDを入れてやればWHSの容量を増設できる。ハードウェア的にシステムをモニタできるのは前面下にある3つのLEDだ。左から順に電源、ネットワーク、ヘルスインジケーターランプで、これらは正常な時は水色に点灯している(このヘルスインジケーターが赤く点灯していたのでシステムの復旧を試みたのは前回のエントリで触れたとおりだ)。

36045d11.jpg
8fbf7746.jpg
稼働中のEX495ベイの部分


 細かい話はここまでにして、セットアップはいたって簡単だ。WHS機の電源を投入後に同じネットワーク内にあるPCにクライアント用ソフトウェアをインストールすればよいだけ。このインストーラが自動的にネットワーク内のWHSを見つけてきてくれるはずである。WHSが見つかったらこのサーバーの名前を決められるので適当な名前をつける。そのあとにWHSログインするためのパスワードの設定を促されるのだが、セキュリティのためかちょこっと縛りの厳しいパスワードが要求される。そのあとはほぼダイアログに従ってWHSのアップデートをしておしまい。ちなみに同梱のWinodws Home Server Console(クライアント用ソフトウェア)はバージョンが古い可能性があるので、WHSをアップデートしたらWHS上の共有フォルダ内にあるSoftwareに新しいバージョンのソフトウェアがあるはずなので、他のPCにこのクライアントソフトウェアをインストールしたい場合はこれを利用するとよい。

 ここまで本来ならば小一時間もかからないんだろうけど、私の場合は半日かかった。理由はOSの再インストールから始まったからなんだけどね。


 さてこのWHSだが具体的に何ができるのか?であるが、簡単に言えばNetwork Attached Storage(NAS)としての運用が主たるものである。最近のローカルのPCには例外なくHDDがつながっているよね?ここには起動用のOSのほかに写真とか文書などのデータも保存されているわけだけど、これらのデータをネットワークのどこかにつながっているHDDに保存しておこうというのがNASの概念である。この方法のメリットは、もし家庭内に複数のPCを持っている場合に、各PCのHDDに異なったデータがあるとするとちょっと不便な場面に出くわすことがあると思う。たとえば旅行の写真がPC1にあるのに、今、その旅行に関するブログをPC2で書いていて、PC1が起動していないときとかね。そんな場面を解消するためにネットワーク内にデータ保存専用のHDDを接続したものがNASだと思えば良いだろう。そしてこのWHSはNASとしての側面ももっているということだ。個人的にはNASをこれまで使ったことはなかったんだが、一般的なNASと比較するとWHSのアクセス速度はかなり速いんだとか。まあお値段的にもNASよりもちょっとお高いんだけどね。

 お値段が高いというからにはそれ以外の機能も充実しているハズだと思うヒトも居るだろう。まあここからはMSもアピールしづらかったろうなと思うんだが(このWHSの宣伝は結構、カオスだったらしい、例、”ママ、どうしておうちにサーバーがあるの?”)、WHSはいろいろな公開されているAdd-inをインストールすることで様々な拡張機能を付け加えることができるんだわ。この辺はおいおいこのブログで触れていくことにして、インストール直後にできることに話を戻すと、NAS以外で注目に値するのはクライアントPCの自動バックアップと家庭内ネットワークの外側からアクセスできるリモートアクセスだろうかね。

 自動バックアップは家庭内ネットワークにつながっているクラアントソフトウェアをインストールされたPCのバックアップを寝静まった深夜(べつに時間帯は設定できるんだが)にやってくれる機能だ。OSやらデータやら(このバックアップする範囲も決められる)をWHSのストレージ内に圧縮して保存する。そんで定期的に差分同期されるらしい。こうすることでいつクライアントPCのOSがクラッシュしても、クラッシュ直前の状態まで速やかに復帰させることができるんだそうな。幸いにしてまだそんな恐ろしい場面には遭遇してないが、まあ転ばぬ先の杖ってやつだ。ちなみにMacOSXのTime Machineのバックアップ先に設定もできるそうだ。

 あと目玉機能のリモートアクセスね。具体的には自宅にあるサーバー内のデータを外出中に必要になった場合、このリモートアクセスを利用すれば、自宅のサーバーに外から直接、閲覧することができる上にデータをダウンロードもできるわけだ。実はこの機能のために私はWHSの購入に踏み切ったといっても過言ではない。まあやろうと思えばNASにVirtual Private Network(VPN)を介してアクセスすればいいのだが、このVPNの設定とか素人にはちょっと敷居が高いよね。WHSを使えばその辺のメンドーな設定をスキップできるってゆーのがまあウリだわな。

 ちと長くなってしまいましたが、あんまりに多機能なんでまた時々、このブログでも触れたいと思う。まあ時間つぶしにはもってこいのおもちゃですね。