日があいてしまったが、なにげに週末とかも実験が忙しかったからね。なれない電気化学実験をやっているがマジ疲れます......サイクリックボルタンメトリーなんてDの学生時代に錯体を測定して以来、ご無沙汰だったからなぁ。まあコレもあともうちょっとでカタがつくので、辛抱しんぼう~♪

 そんな合間をぬって昨年末くらいから牛歩のような歩みで作ってきたNosZ大量発現株からNosZタンパク質(亜酸化窒素還元酵素構造因子、いいかえれば酵素活性を担うハズの原子団を欠いていて、タンパク質部分だけのものね)を精製することにした。この辺はすでにウルバナ・キャンペインのチームが報告していてそれを踏襲するだけなんだけど、使う遺伝子は違うのでプライマーからおこさなければならなかったのよ。つまり全部最初っからってことね。それにこの構造因子だけを大腸菌で発現させても、酵素活性は得られないことはもうドイツのグループが報告していたので、まったく発展性のないネタである。でもウルバナのグループはコイツでPNASだから、個人的には納得いかんのよ。

 まあそんなことはどーでもいいんだが、精製自体はらくちんだったよ。まず大腸菌だからね。しかもBL21(DE3)って細胞壁、弱い?他の株よりも簡単に潰せるような印象。カラムもいつも亜酸化窒素還元酵素を精製するように流す。でもクロマトの挙動はミュータントに近いと予想してたので、フラクションはカンで分取。取りこぼしもなく見事に精製できたわ。我ながら匠の技だな(^^)

 得られたタンパク質は電気泳動で純度を確認。濃度はBCAとビュレット法の平均を取る。あと銅イオンの定量は原子吸光で確認した。このあとは直ちに銅イオンを入れてみることに。ここまでは上述のPNASに記述されているのだが、やつらは銅イオンを滴定しながら導入したのに対して、ワタシは透析してみました。そーしたら見事にチューブ内で析出しやがりますたわ......orz

 気を取り直して、銅イオンフリーの緩衝水溶液で再透析。析出したタンパク質はまた溶液に溶け出した。一応、CDで確認してフォールディングは問題なさそうだった。次回はもうちょっとマイルドな条件で銅イオン導入をしなきゃなぁ。