windows7_desktop.png つい先日、Vista機が起動しなくなった。正確には電源は入るのだが、HDDを認識する際にBIOSがRAIDヴォリュームを探し始めてしまうのだ。この機体には3台のHDDが搭載されているが、当然、RAID構成にはしていない。だから上記の起動シークエンスはありもしないRAIDヴォリュームを探し続けてしまい、起動しなくなってしまったというわけ。こんな症状になったのは、最近のWindowsUpdate以来なので、更新ファイルがなにやら悪さを起こしたのだろう。
 当初はVistaの復旧を考えたのだが、よ~く考えたらこのVista機、あんまり使ってないんだよねぇ。理由は簡単で、Vistaの”もっさり感”の一言に尽きる。以前のエントリでは養護していたような気がするのだが......

 というわけで、わざわざVistaを再インストールするくらいならば、いっそのことつい先日に発売されたWindows7をインストールするかと思ったのである。最初はXPモードをもつProfessionalを考えたのだが、このVista機のCPUでは仮想化アーキテクチャを搭載しておらず、XPモードが動かない。でもそのままフツーのWinodws7じゃあおもしろくないので、64bit版のHome Premiumをインストールすることにした。

 まず結論からいうと、Winodows7は非常に快適である。もともとVistaのUIであるAeroは個人的には好きだったので、コレが軽快に動くのは願ったり叶ったりだ。一方、64bit化に関する懸念としては、(たぶん)2000年以後に作られたアプリはx86互換モードでほぼ問題なく動くと思う。(少なくともワタシの手持ちのアプリではそんな状況だ)ドライバに関してもWindows7インストール時に提供されるもので問題なく動作しているし、かなり多くの周辺機器メーカー(ワタシの場合、AMD/ATI、Logitechなど)が64bit対応ドライバを提供しているようだ。

13d493d3.jpg
6a18449b.jpg
fc300c8b.jpg
テスト動作中完成しましたロジのdiNovoを搭載


 さてインストール時およびテスト動作時に感じた問題点。Vistaをインストールしてあった時に機能していたHybrid Sleepなのだが、それが少なくともワタシの環境のWindows7ではうまく動作しない。HDDにメモリの内容をコピーして省電力動作に移行した状態からの復帰ができないのである。

 上述したようにVistaの時には3台のHDDを搭載していたわけだが、そのうちの2台はパラレルATA接続である。今回、光学ドライブを内蔵にした(後述するように電源が小さくなった)ため、1台のHDDを取り外した。だから起動HDDはシリアルATA、パラレルATAのラインには光学ドライブをマスタ、HDDをスレイブという構成になる。その際に、IDEケーブルの接続順番(マザーボードから近いほうをマスタ、遠い方をスレイブにするというヤツ)をすっかり忘れていたのである。結果的に逆につなげていたためなのか、スリープ復帰時に接続ドライブを認識しなくなる症状に陥った。そしてさらに不思議なことに、BIOSはシリアル接続のHDDも見失っていたのである。

 最初は接触不良かと思い、シリアルとパラレルともにケーブルをつなぎ直したらちゃんと起動するようになったのだが、スリープに入るたびに同じ症状に陥る。そこまできて、上記のIDEの接続順序の問題を思い出したのであった。順序を直した後でも、今度はドライブを認識しているにもかかわらず、スリープからの復帰に失敗するので、これはもしかしたらマザーボード(あるいはそのBIOS)、もしくは64bit版Windows7の問題なのかもしれない。ただ前者ならばVistaインストール時にはHybrid Sleepが効いていたという説明がつかないので、限りなく後者の問題点なのかもしれない。ちなみにこの問題は電源設定をパフォーマンス(Hybrid Sleepを切る)にすることで表れなくなった。

 さらにその後で、今度はアクティベーションをしろという警告が出てきた。もちろん、クリーンインストール時にアクティベーションは済ませていたのだが、上記のATAケーブルの接続し直しをハードウェア構成の変更と認識したらしい。悪いことにオンライン経由でのアクティベーションができなかったらしく、結局、マイクロソフトに電話するはめになった。

 以上、2点がこれまで今回のWindows7導入で経験した”悪い印象”である。



 基本的に上述の点をクリアした後は問題なく動いている。Office2007もSuperFetchがうまく効いているらしく、かなり軽快だ。こんな古い構成のPCであるのにもかかわらずである。(ただしx86-64命令セットの実行効率に関しては、AMDのK10アーキテクチャはIntelのコアアーキテクチャよりも高いとのこと)ほかにも64bitということなので、メモリ領域の上限が跳ね上がったのだが、手持ちのDDRモジュールはあと1GBしかなかったので、3GBまでの拡張しかできなかった。それでも問題なくというか、32bitのXPよりも場合によっては快適に動いている。(このXP機のCPUは今回のWin7機よりも速い)特に起動・終了は特筆すべきものがあると思う。

 またWindows7だからというわけではないのだが、これまで積んでいた750WのApeviaの電源の代わりに500WのOCZのものにしたため、起動も快適になった。(このApeviaの750W電源、たびたびコールドスタート(まったく電源の入っていない状態からの起動)に失敗するのだ。どうやら起動直後に必要な電力量を確保できていない、まあつまり設計不良なのだろう。そんなわけでVistaをコールドスタートさせるたびにイライラしていたのである)

 もう一つ、増設したものがある。FDDだ。時代に逆行しているのだがね。つい最近、購入したオリンパス製のコンパクトデジカメのデータをPCに落とすにはmicroUSBケーブル経由でなければならなかったのだが、コイツは汎用性に非常に乏しいのである。そういうわけで、カードリーダーをつけようと思ったのだが、その際にFDDにカードリーダーが一緒になったものがあったので、そいつをつけることにしたため、FDD搭載となったのである。まあ最新のOSに一昔前のデバイスという組み合わせはなかなかシュールなのであった。