さて今日は古い方の建物(Gaines Hall)でDeli Fridgeの塗装の手伝いをする。主にKimと彼女の旦那さんのJonathanがやっていたのだが、なんだかKimに手伝ってくれと先週から頼まれていたのだ。やることといえば冷蔵庫にできた錆をサンダーでガリガリ削ってのぞく作業。まあ研究の仕事じゃねーわな。錆をサンダーで削るとまあそれはもう火花がバチバチ出るワケよ。しかもサンダーも結構、重いので最後は筋肉痛になった。削りかすとかも結構、出てくるので、防塵マスクをしていたが、結局は髪の毛にもたくさん積もっていたので、ガビガビになってしまった。そんな一日である。そーいえば、朝、ラボに顔を出したら、2年ほど前にサバティカルで来ていたニューヨークの先生が訪れていた。なんでも休暇を利用して釣りに来たらしい。ワタシのことも覚えていて、ちょっとUSの公募状況にについてハナシを聞いた。ああ、そーいえば明日は生物無機の大御所、H. Gray教授の講演があるな。まっ、そんなカンジで1日が過ぎていった。

 さてIT関連でちょっと目を引いたニュース。

iPhoneには有害化学物質が含まれている――Greenpeaceが警告
2007年10月16日 08時39分 更新

 iPhoneは環境に優しくない――環境保護団体Greenpeaceが10月15日、こんな警告を発した。同団体の行ったテストによると、米AppleのiPhoneには、有害な化学物質が含まれているという。

 Greenpeaceでは、化学物質やリサイクルなどに関する企業の方針に基づき、「エコ」ランキングを発表するなどの活動を行っている。Appleは、同ランキングで2回連続で最下位となったが、5月にスティーブ・ジョブズCEOが環境保護推進計画を発表、その後最下位を脱していた。

 こうした経緯から、GreenpeaceはiPhoneの発売以来、「環境関連の配慮についての言及がないか注意深く観察してきた」が、特に動きがないため、英国の独立研究機関に依頼して独自の分析を行ったという。その結果、iPhoneには臭素化化合物やフタル酸エステル樹脂などの有害化学物質が含まれていたことが判明。フタル酸エステル樹脂は、欧州では携帯電話への使用は禁じられていないが、玩具などでの使用は禁止されているという。

 Greenpeaceでは、NokiaやMotorola、Sony Ericssonでは、こうした化学物質の使用を中止するなどの取り組みを行っていると紹介。また、iPhone分解の経緯などを「スティーブは本当に電話を改革したのか」という題のビデオクリップにまとめ、YouTube上に公開している。

 で、YouTubeを見てみたのよ。いっつも思うんだけどさ、こういったニュースってさ、リーダーに何かしらの強迫観念を煽ってるよね。化学者として言わせてもらうとさ、まずフタル酸エステルのことをちゃんと説明もせずに"有害物質"として扱っているじゃない。もうこの時点で公正無私じゃないわけさ。たしかにサリドマイドみたいなフタル酸誘導体は悪名高いけどさ、だからといって全てのフタル酸誘導体が有毒ってわけじゃないよね。ぶっちゃげどんな化合物(水でさえ)でも取りすぎれば有毒なわけよ。特にここで取り上げている(おそらくは)オルトーフタル酸エステルは一時期、環境ホルモン様作用があるとか言われていたらしいけど、これは検証されてそうではないということになっているわけさ。子供用の玩具みたいに子供が口に入れてしまう可能性のあるモノはマズいかもしれないけど、携帯電話のように大人が使い、まず口に入れるようなものでないなら、それを規制するってゆーのはどーなのよ。実際、欧州では携帯電話に関してこの化合物の規制がないわけでしょ。(まあ使わない努力は各社、しているみたいだけど)それを鬼の首を取ったように抗議するのはどーなのさ。

 思うんだけど、人間の活動なんて絶対に何かしらの犠牲や妥協でなりたっているんだよね。それを除外して理想に近づけようとゆーのもイイけどさぁ、現実を見るのも大切なんじゃない?と思うワケよ、この記事なんかを眺めていると。